2025.10.30

映像って、必要?

先日、ある中学校の企業訪問があった

教育カリキュラムの一環で興味のある業種の企業を訪問し、生徒さん自身が直接社員に質問し、仕事に対する姿勢や意識から学ぶといったプログラムだ。

来社された生徒さんたちは皆さん利発でしっかりされていて、非常に感心させられたし、逆に学ぶことも多かった。

「映像制作での社会貢献とは?」という質問があった。我が社の経営理念に謳っている事である。

生徒さん達に嚙み砕きながらお話ししている中で、映像の大切さについて改めて感じたことがある。

映像って、それでお腹が満たされるわけでもないし、無くなっても人は生きていける。じゃあなぜ映像は存在しているのか?

 

生活を彩るもの

インターネットやスマートフォンの普及で、時と場所を選ばず動画を楽しめる現代、視るだけじゃなくて、撮影したり、編集したり、世界中の人と共有したりと、映像は以前より身近なものになってきた。

僕も、SNSや動画共有サイトをよく利用するが、本当に面白いし見飽きることが無い。無くても生きていけるけど、より生活に彩りが与えられる。音楽や絵画と一緒で、映像も(当たり前だけど)無いとその生活はつまらないものだ。

その上、人に情報を伝える時に、言語を越えてより分かり易く正確に伝えるためにも映像は力を発揮している。

人に物事を伝えたり、共感したり、強調したり、感動したり。それって『文化』の根幹だ。

 

ナポレオンとモーツアルト、どっちがえらい?

今年亡くなられた脚本家の大家、ジェームス三木氏の生前のインタビューを、先日テレビで見かけた。

氏いわく、「ナポレオンとモーツアルト、どっちがえらいと思う?ナポレオンはヨーロッパ全土を征服してフランスの皇帝になったけど、あの人にはぼくたちは何のお世話にもなってない。一方モーツアルトの曲は流れない日はない。文化(芸術)とはそういうもので長く人に愛される大切なものなのだ。」

うーん、まさにそうだな。

多様化、多国籍化した今、文化の中心に映像がある。これは人間が視覚に頼っている以上、普遍的なんだと思う。

 

企業訪問で来社された生徒さんたちが興味を持ってくれた映像業界、その未来を守るために、映像の力を信じて、これからも想いを込めた作品を世に送り出してゆきたいと感じた。

s.morita